プロジェクターの選び方
大阪南港ATCを拠点とした、講演やセミナーなどの収録配信・映像音響オペレーション、及び会員制動画配信サイト構築サービスを行う、マルチメディアプレゼンテーション専門「レザネイ」代表の渕上です。
こちらのブログでは、企業内インハウス(内製)でリアルセミナーやウェビナー、ピッチイベントやトークショーを開催したり、動画活用をされていこうとしている方々、また動画配信技術に興味がある方々に、各種有益な情報を発信しております。
今回は、「プロジェクターの選定ポイントは?」のお話。
ここで言うプロジェクターは、会議室やホールに置いて、基本的にプレゼンテーションを投影するもの、という前提でお話ししますね。
いろんなメーカーからいろんな機種が出ていて、選ぶのに迷ってしまうプロジェクター。しかも、そんなに安い買い物でもないので、失敗したくないですよね。
細かい仕様を比較しても、情報量が多すぎて、さらに混乱してしまいかねません。
だから、まずは5つのポイントに絞って検討することをおすすめします。
プロジェクター選定の5つのポイント
明るさ
まずはこれですね。プロジェクターは光を出して、映像を投影しますので、これが弱いと会議室の後ろから見えにくかったり、完全に明かりを消さないとだめだったりと、よろしくありません。
ですので、ここを最重要項目として、見極めていきましょう。
大切なのは、「明るさのレベル」でして、「ルーメン」という単位で表します。
慣れてくると、5,000ルーメンあるから中〜大会議室までいけるかな?といった感覚がつかめてきますが、最初は数字を言われてもわからないと思います。
ただ、今は各メーカーとも利用シチュエーションや会場の広さごとに、どの型式のものがマッチするか情報を出しているので、そちらが参考になるんですね。
それで、目星をつけたプロジェクターのルーメンを調べて、買い替えだったら今の機種と比較してみるとか、新規購入で各メーカーのものと比較する場合も、同じルーメンのものを検討する、といったことができると、スマートですね。
解像度
これも色々ものさしというか、尺度があって難しいんですよね。。
しかも、「解像度」が映像の細かさとアスペクト比(画面の縦と横がどのくらいの長さか)がごっちゃになっているので、余計にややこしやー!なんです。
現在主流のアスペクト比は16:10なんですが、これはPCや液晶モニターのアスペクト比がこの数字なので、それに合わせる方向にきているということになります。
そして、映像の細かさは、FullHD(おおむねBlu-rayディスク程度)のレベルがあれば良いかなと思います。
そうすると、「WUXGA(1920×1200)」が本命、ということになりますね。その一つ下が「WXGA(1280×800)」になるんですが、ちょっと広めに投影した時に、グラフの数字が読み取りにくいなど、視認性が落ちてしまうケースもあると思います。
焦点距離
今は出来る限り、プロジェクターと投影対象(スクリーンや白壁)を近く出来る機種が流行りですね。
100型相当の広さの映像を投影するために、広角側で何m後ろに下がらないといけないか、がその尺度になります。
こちらも各メーカーのサイトにまとめ資料があるかと思いますので、要チェックです。
知らない間に、スクリーンの真下に置いて、めちゃ広い映像を投影できる機種も出てきていて、驚きです。
耐障害性
例えば、プロジェクターを天井に吊るす、などの要件があった場合、簡単に修理が出来ない分、壊れにくさって重要ですよね。
そして、万一壊れてしまった場合のバックアップまで考慮できていると、より良いかと思います。
壊れにくさ
プロジェクターで一番壊れやすいもの、そして壊れると一番困るもの、それが「レンズ」です。実はプロジェクターのレンズにはいくつか種類があるのをご存知でしたか?
レンズの種類 | 寿命 | 起動速度 | 明るさ | 価格 |
---|---|---|---|---|
水銀ランプ | 短い | 遅い | 中 | 安い |
LEDランプ | 長い | 早い | 中 | 中程度 |
レーザーランプ | 長い | 早い | 高輝度 | 高価格 |
こう見ると、LEDランプかレーザーランプが良い様に見えますが、その分割高にはなってしまいます。
非常に高い輝度を要する、また長時間のプレゼンテーションイベントが視野に入るのであれば、レーザーランプを優先的に検討する、ということで良いかと思います。
バックアップ
これは、天井にプロジェクター吊るす場合、ということになりますが、「HDBaseT」で接続できる機能があると、HDMIケーブルに不具合があった場合のバックアップになります。
「HDBaseT」は、HDMIケーブルの代わりにLANケーブルを使って映像を伝送できる規格で、長さも100mまで延長でき、特に遅延も気にならないので、非常に使い勝手の良い接続が可能です。
万一HDMIで映像が出ない場合、この「HDBaseT」のラインでバックアップする、という使い方が出来るだろう、ということですね。
1点注意としては、「HDBaseT」で接続しようとする、ソース側(プロジェクターの対向側)には、HDMIへの専用変換アダプターが必要、というものがあります。
予算が許すなら、検討しても良いのかなと思います。
使いやすさ
最後に、使いやすさですね。
こちらは本当に色々検討要素があるので、書ききれませんが、下記のような点は押さえておいて損はないと思います。
- 自動補正機能の優劣
- 電源を入れてから明るくなるまでのスピード
- 電源OFFの方法(壁コンを切る、電源ケーブルを抜くだけで良い、など)
- リモコン操作のしやすさ
- 使い慣れたメーカーのものか
最後のポイントは買い替えを想定していますが、比較してそんなに大差ないようであれば、同じメーカーのものを選ぶ、というのも立派な選定理由かなと思います。
いかがでしたか?
比べれば比べるほど、深みにはまって行く感じになると思いますが、是非5つのポイントを考慮して、良いプレゼンテーション環境をゲットしてくださいね!